NPO 静岡県作業所連合会・わ東日本大震災被災地障害者支援活動報告
NPO 静岡県作業所連合会・わ東日本大震災被災地障害者支援活動報告
東日本大震災災害ボランティア活動報告 (5月16日~20日)
浜松協働学舎青葉の家 生活支援員吉田時成さんの現地報告です。現地での活動や様子がわかりますのでぜひご覧になってください。
活動報告の一部です。詳細は、PDFファイルをご覧になってください。
①ニーズがでてこない。
被災者にお会いして困っていること・必要なものなどを尋ねても、「特に困っていることはない」という返事をよく聞きました。家を失い避難所生活なのになぜ、と思ったのですが、ニーズを挙げないにはいくつか理由が考えられます。
- 土地柄で、特に沿岸地域の方達は忍耐強くがんこな気質
- 少し会って話しただけのボランティアに、なかなか心を開けない
- 「障がい」者を、そのような個性をもった人として、地域の一員と同様な理解をしてい
- 従来から福祉サービスが少なく、どうサービスを活用すればいいのかわからない
- 行財政が弱く、ニーズを挙げても要求が通らない
など、震災以前からの地域の特性・問題点も多く含まれており、しっかりニーズを把握して支援につなげていくにはハード・ソフト両面から大きな働きかけが必要とされます。
②地域サービスにつなげづらい。
地元の事業所が被災して運営されなかったり、利用者・職員数の減少などから閉鎖されるところもでてきています。
③県内のボランティアは決して多くない。
県外ボランティアは多く集まっても、いずれ去っていきます。県内(内陸部)からも支援活動のために来てはいますが、あまり活発とはいえません。
④「福祉避難所」が機能できていない。
福祉避難所が基幹として地域の障がい者などを支援することが望まれますが、実際には10:1 の人員配置さえ満たせば、あとは地域の方たちの受け入れを渋っているケースもあるそうです。
⑤障害者の動向を行政・地域で把握できていない。
避難所にいられず車内生活や遠くの地へ移ってしまうケースが多くありましたが、なぜそのような状況になっているのか、実際にどれだけの数がどこにいるのかわからないまま「ここには障がい者はいません」と片付けられることもありました。しかし、地域と強く結びついて助け合っているケースもあります。日常からの防災訓練を地域と連携して行うことで、被害を抑えられていました。
⑥「センターいわて」自体の活動量が保障されない。
被災から時間が経つに従いボランティアの数は減ってきており、現地のサービスにつなげられなければ、これまでできていた支援が継続出来ずに中断する可能性も考えられます。
静岡から継続的に支援があることは、とても助けになっています。今後1 人でも多く、できれば長期で、現地での活動を繋げていってほしいです。
以上、活動中に感じたことを列挙しました。今回の被災地派遣では、想像を絶する現実、それを受け容れなければならない現実を目の当たりにしてきました。復興には長い時間が必要ですが、私たち一人一人の力を繋げていくことが.可欠です。